2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791831
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
馬谷原 光織 Showa University, 歯学部, 助教 (30384184)
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Keywords | 舌痛症 / カンジダ / 補綴物 / SEM |
Research Abstract |
目的】舌痛を訴える患者の43%(60歳以上80%)にC.albicansが検出され,検出率は義歯装着患者で非装着患者の3倍であった.舌痛に対するC.albicansとレジン床の関与を検討する第1段階として,C.albicansのレジン床への付着について検討した.レジン床のカンジダ付着は表面粗さが大きいほどC.albicansの付着が多いという報告も多いが、研究手法により関連が無いとする報告もある。平成21年度は、表面粗さと培養時間をパラメータとしてC.albicansの付着数を検討した.【材料および方法】義歯床用レジン片(アクロン)1cm2を研磨紙#100,#800,#1200で研磨し,Raを計測した.C.albicans(JCM2085株)の培養時間は9,12,24時間の3群とした.37℃で2時間撹拌後,SEM撮影像から1辺100μ2の範囲でカンジダ数を測定した.【結果】Raは#100~#1200(3.1,0.4,0.06μm)の順に小さくなった.C.albicans付着数は,24h群の#100群(81.2)に対して#800(47.6)あるいは#1200群(36.5)で有意に少なかった.12h群でも#100~#1200(19.25,H.25,4.4)の順に少なくなり#100と#1200群で有意差が見られた.9h群では#100~#1200(6.8,5.7,5.3)で有意差はなかった.SEM像では9h群で顆粒状のC.albicans菌塊が見られ,12,24h群では樹枝状に成長して,レジン床亀裂部に菌糸が複雑に入り込んでいた.【考察】レジン床表面が粗くなるとC.albicans付着数が増加した.しかし,9h群では粗造性による有意差がないことから口腔内の義歯表面のバイオフィルム形成を考慮する際にはC.albicans成長段階も考慮に入れる必要性が示唆された.本成果は平成22年6月に開催される「第64回日本口腔科学会学術集会」にて発表予定である.
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Research Products
(1 results)