2009 Fiscal Year Annual Research Report
炎症発症機序解明におけるNK細胞の結合組織浸潤機構についての解析
Project/Area Number |
21791833
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
井上 博 Osaka Dental University, 歯学部, 講師 (10330143)
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Keywords | NK細胞 / MMP / ケモカイン |
Research Abstract |
1) 細胞表面受容体の確認NK様細胞株(NK3.3)を各種抗体(抗α2-、抗β1-インテグリン、抗CXCR4)にて反応させた後、FACSにて解析をおこなった。その結果、コラーゲンの細胞膜受容体の一つであるα2β1インテグリンとCXCL12の受容体であるCXCR4がNK3.3に存在することを確認した。 2) CXCL12刺激によるI型コラーゲン分解能の検討NK3.3を20ng/mlのCXCL12刺激のみ、あるいはMMPの阻害剤(20μM GM6001、200ng/ml TIMP 2)を加え20時間培養する。25μg/mlのDQコラーゲンI型をコートしたスライドガラスに細胞を播種し4時間培養する。その結果、CXCL12存在下で照3.3はDQコラーゲンI型の分解を増強する事が確認された。また、DQコラーゲンI型に対する分解能の増強はMMP阻害剤であるGM6001とTIMP2によって著明に抑制される事が確認された。 3) CXCL12刺激によるI型コラーゲンゲルに対する細胞浸潤能の検討実験にはボアサイズ3μmのTranswellを用いた。200μg/mlのI型コラーゲンゲルを上部に加え、200ng/mlのCXCL12を下部に入れる。MMP阻害剤(2)と同様)は上部と下部に加える。細胞を上部に播種し20時間培養する。顕微鏡で細胞浸潤した細胞をカウントした。CXCL12存在下で、NK3.3はI型コラーゲンゲルへの浸潤を増強する事が確認された。また、浸潤の増強はMMPの阻害剤であGM6001とTIMP2によって著明に抑制される事が確認された。 以上の結果より、NK3.3はCXCL12刺激によってI型コラーゲンゲルへの浸潤とDQコラーゲンI型の分解が増強される事が確認された。また、この浸潤と分解にはMMPが強く関与している可能性が示唆された。
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