2010 Fiscal Year Annual Research Report
炎症発症機序解明におけるNK細胞の結合組織浸潤機構についての解析
Project/Area Number |
21791833
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
井上 博 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (10330143)
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Keywords | NK細胞 / MMP / ケモカイン |
Research Abstract |
1)NK様細胞株(NK3.3細胞)においてCXCL12刺激により発現するMMPsの同定 NK3.3細胞にCXCL12を加えて5%CO_2、37℃で24時間培養する。培養終了後上清を回収し5倍に濃縮したサンプルを用いてウエスタンブロッティングを行う。ウエスタンブロッティング後PVDF膜にタンパクを転写し各種抗MMP抗体(anti-MMP-1,anti-MMP-8,anti-MMP-13,anti-MMP-14)にてバンドを検出した。その結果CXCL12刺激による各種MMPの発現において、MMP-8,-13,-14において差は認められなかった。しかし、MMP-1の産生においては刺激による著明な増強が確認された。 B)CXCL12刺激によるNK3.3細胞とMMP-1との結合の検討 NK3.3細胞にCXCL12刺激とrecombinant pro-MMP-1を加えたもの、あるいはそれにGタンパク阻害剤であるPertussis toxin (PTX)を加えウォーターバスにて37℃で10分間培養する。培養後細胞を抗MMP-1抗体と反応させサンプル作成し、共焦点レーザー顕微鏡にて観察を行った。その結果、CXCL12刺激によりpro-MMP-1がNK3.3の細胞表面に結合することを確認した。この結合はGタンパク阻害剤のPTXによりCXCL12が受容体に結合するのを阻害すると著明に抑制された。 以上のことからNK3.3細胞のMMP-1産生にCXCL12が関与していること、またNK3.3とpro-MMP-1の結合にもCXCL12が関与している可能性が示唆された。
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