2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨組織に存在するマクロファージの骨免疫学的検討―顎骨壊死メカニズムの解明―
Project/Area Number |
21791834
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
堂前 英資 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (50454559)
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Keywords | マクロファージ / 破骨細胞 |
Research Abstract |
ビスホスホネート製剤は破骨細胞を抑制して骨粗鬆症の進行を抑制する。この破骨細胞の抑制は骨吸収抑制作用が主であり、破骨細胞数にはあまり影響がないと考えられている。近年、ビスホスホネートの経口投与と巨大破骨細胞形成の関連を示唆する結果が報告された(N Engl J Med 2009)。この報告ではアレンドロネートの長期間投与により破骨細胞数が増加し、骨面から遊離した巨大な破骨細胞が観察された。この報告により顎骨壊死とビスホスホネート投与による破骨細胞数への影響および骨面に接着していない破骨細胞形成との関連を検討すべく、本年度は以下の研究を行った。 マウスマクロファージ株細胞RAW264.7を用い、各種ビスホスホネートを作用させることにより、破骨細胞分化過程における細胞表面マーカーの変化を検討した。マクロファージの表面マーカーとしてF4/80、Gr1、CD11b、ICAM1、CD169、CD18の発現を検討した。In vitroの系ではこれらのマーカーに大きな変化は見られなかったが、培養中の細胞の接着強度に変化が観察されたため、各種接着分子に対するモノクローナル抗体による機能実験を行った。検討した接着分子はインテグリンα1,β2,b3,b7,αv,CD11a,CD11b,CD11c,ICAM1,ICAM2で、破骨細胞分化過程にこれらの接着分子が関与するかどうかを検討した。この中でいくつかのモノクローナル抗体添加により破骨細胞分化に変化があったため、そのメカニズムを検討するため細胞内シグナル伝達分子を検索した。破骨細胞分化と関連が示されているチロシンキナーゼSyk、Fynが免疫沈降によりインテグリンと共沈したため破骨細胞分化過程においてインテグリンからのoutside-inシグナルにこれらのキナーゼが関与している可能性が示唆された。この研究結果とビスホスホネートによる破骨細胞分化、接着強度の変化との関連を今後報告する予定である。
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Research Products
(2 results)