2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストン脱アセチル化阻害剤を用いたヒト骨肉腫に対する免疫療法への応用
Project/Area Number |
21791835
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
山根木 康嗣 Hyogo College of Medicine, 医学部, 助教 (00434944)
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Keywords | 骨肉腫 / Valproic acid / NKG2D / NKG2D ligand (MICs) / soluble MICs |
Research Abstract |
4種類のヒト骨肉腫細胞株(OS)を用いhistone deacetylase inhibitor(HDACI)であるsodium valproate(VPA)がOSのNKG2D抵抗性に及ぼす影響を検索した。VPAはOSの細胞膜NKG2D ligand(MICA and B)の発現を有意に増加させ、その比率は対照群に比較して約2.5~5倍であった。さらにVPAはOSによる遊離型MICs(sMICA and B)の形成を有意に抑制した。またNK細胞株であるNK92によるOSに対するcytotoxicityを有意に増加させた。 以上の結果よりVPAはsMICsの形成を抑制し、NKG2D(NK細胞)に対する感受性を増加させ、OSの免疫細胞抵抗性を減弱させることがin vitroで示された。VPAはすでに抗てんかん薬として現在広く臨床応用されており、安全性・至適濃度はすでに確認されている。今回使用した濃度はその範囲内であることから、人体への影響が少なく、OSの治療に応用可能であることが示唆された。
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