2010 Fiscal Year Annual Research Report
エナメル芽細胞におけるShhおよびBmpシグナルのクロストークと歯の再生への展望
Project/Area Number |
21791838
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 里美 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 非常勤講師 (40451918)
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Keywords | 歯の再生 / エナメル芽細胞 / Sonic hedgehog / Bmp / Wnt |
Research Abstract |
Shh (Sonic hedgehog)は、歯の発生過程において、シグナルセンターであるエナメルノットに強く発現しており、エナメル芽細胞分化において重要な働きを担っていると考えられているが、その機能の詳細はいまだ不明である。これまでに株化エナメル芽細胞ALC (Ameloblast lineage-cell)を用いて、Shhシグナル下流のGli1がエナメル芽細胞特異的遺伝子であるアメロジェニンやアメロブラスチン発現を亢進させることを明らかにした。また、ShhシグナルによりBmpシグナル発現が増加し、Gli1強制発現によりBmpシグナル下流のSmadの発現が亢進したことから、Bmpシグナルもエナメル芽細胞分化に関与している可能性を示唆した。今年度は、さらにShhと並んで歯胚形成において重要なWntシグナル発現が、Gli1強制発現により増加し、さらにWntシグナル下流のTCF1の発現が亢進したことから、Wntシグナルもエナメル芽細胞分化に関与している可能性を示唆した。今後は、ALCにおけるWntシグナルおよびBmpシグナルとShhシグナルのクロストークとエナメル芽細胞分化の方向性について検討する。。WntシグナルによりShhシグナルおよびBmpシグナルがどう変動するのか、逆にShhによりWntシグナルおよびBmpシグナルがどう変動するのか、またそのクロストークがエナメル芽細胞にどう影響するのかについて検討を行う。
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