2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791842
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
風間 龍之輔 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50387429)
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Keywords | CAD/CAM / 破折強度 / 表面処理 / セラミックス |
Research Abstract |
本研究では、Y-TZP材料等CAD/CAMオールセラミック修復物に対する各種処理条件が破折強度に与える影響を検討した。<修復物被着面処理の影響>ヒト抜去大臼歯にボックス型MOインレー窩洞を形成後、歯科用CAD/CAMシステムにてセラミックブロックより修復物を製作した。これらを無酸処理群、37%リン酸ゲル処理群、および5%フッ酸水溶液処理群の3群に分け(各n=8)、各被着面処理およびシランカップリング処理後レジンセメントで窩洞に接着した。24時間水中保管後、万能試験機で咬合面方向より加重し破折時の荷重値を計測した。また、セラミックブロック処理面の超微構造を走査型電子顕微鏡で観察するとともに、共焦点レーザー顕微鏡で表面粗さ(Ra)を算出した(各n=8)。その結果、全ての群間で破折時の荷重値に有意差は認められなかった(一元配置分散分析、P>0.05)。フッ酸処理群は他の2群と比較して処理面の凹凸構造が明瞭で、他群より有意に大きいRa値を示した(一元配置分散分析およびBonferroni検定、P<0.05)。本実験条件では、フッ酸処理はセラミック材の表面を粗〓化させたが、歯質接着後のインレー体の破折強度には影響を与えなかった。<修復物非被着面処理の影響>本研究では、3.0mm×6.0mm×2.0mmの板状セラミック試料を80個製作しそれぞれ半数を研磨群、残りの半数をグレーズ焼成群とした。ヒト象牙質研磨面にセメント厚さ100μm確保し、レジンセメントで接着した。接着後の試料は24時間水中保管後、万能試験機にて直径3.0mmのタングステンカーバイドボールを介しクロスヘッドスピード0.5mm/minにて加重し、破折時の荷重値(N)を計測した。得られたデータは二元配置分散分析およびBonferroniの多重比較検定により統計処理を行なった(α=0.05)。統計処理の結果、表面処理条件では研磨群とグレーズ群の間に有意差は認められなかった(p>0.05)。本実験で使用したセラミックスは加熱焼成の温度変化によるセラミックスへの影響は少ないと考えらる。
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