2009 Fiscal Year Annual Research Report
半導体レーザーにより誘導される歯髄内硬組織形成機構を免疫組織化学的に解明する
Project/Area Number |
21791845
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
重谷 佳見 Niigata University, 医歯学系, 助教 (80397132)
|
Keywords | レーザー / 免疫組織化学 / 歯髄 |
Research Abstract |
半導体レーザー照射に対する象牙質・歯髄複合体の反応様式についての知見は未だ十分とはいえず、臨床応用に向けての検討が急務となっている。本研究では、ラット臼歯を用いて半導体レーザー照射後の象牙質・歯髄複合体の反応を免疫組織化学にて多面的に検索することにより、これまで不明確であった同レーザー照射後の象牙質・歯髄複合体の反応様式、特に硬組織形成誘導機構を解明することを目的とする。 今年度は、照射後の初期反応について検索を行い、以下の結果を得た。 0.5W照射群において、照射直後において照射部直下での象牙芽細胞の配列の乱れとHsp-25およびnestin陽性反応の消失がみられた。しかしながら、1日目以降でHsp-25陽性反応が、また2日目以降ではnestin陽性反応も同部の象牙芽細胞様細胞に観察されるようになった。BrdU陽性細胞は観察期間を通じて認められなかった。 また、1.5W照射群では、照射直後より象牙芽細胞を含む歯髄細胞の壊死がレーザー照射部を中心に観察され、時間の経過とともに同心円状に拡大した。Hsp-25は、壊死層周囲に強陽性反応を示した。一方、nestin陽性反応は照射直後より照射部近傍で消失しており、時間の経過とともに陰性部が拡大した。BrdU陽性細胞は2日後、3日後に検出された。 今後、新生硬組織形成が起きる期間までの長期的観察を行い、免疫組織化学的に同レーザーによる研究組織形成誘導機構を明らかにする。
|