2010 Fiscal Year Annual Research Report
半導体レーザーにより誘導される歯髄内硬組織形成機構を免疫組織化学的に解明する
Project/Area Number |
21791845
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
重谷 佳見 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80397132)
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Keywords | レーザー / 免疫組織化学 / 歯髄 |
Research Abstract |
半導体レーザー照射に対する象牙質/歯髄複合体の反応様式についての知見は未だ十分といえない。本研究では、ラット臼歯を用いて、これまで不明確であった同レーザー照射後の象牙質・歯髄複合体の反応様式、特に硬組織形成誘導機構を解明することを目的とする。 本研究より、以下の結果を得ることが出来た。 0.5W照射群では、照射直後に照射部直下での象牙芽細胞の配列の乱れとHsp-25およびnestin陽性反応の消失がみられたが、2日後以降ではHsp-25およびnestin陽性反応が象牙芽細胞に観察された。3週後以降、明瞭な細管構造を有する象牙質様新生硬組織の形成が照射部直下に限局性に観察され、この新生硬組織と原生象牙質との境界部近傍にDMP-1陽性反応が認められた。 1.5W照射群では、照射直後より歯髄に壊死層が形成されたが、1週後よりHsp-25およびnestin陽性の象牙芽細胞様細胞の再配列ならびに新生硬組織形成が観察され、2週後以降、不規則な細管構造を有する象牙質様、あるいは細胞の封入を伴う骨様の新生硬組織形成が経時的に顕著となった。原生象牙質と新生硬組織との境界部近傍にはOPNおよびDMP-1陽性反応が観察され、さらにDMP-1陽性反応は新生硬組織内にも認められた。 低出力条件(0.5W)では細管構造の明瞭な新生硬組織が少量形成されたのに対し、高出力条件(1.5W)では不規則もしくは骨様の新生硬組織が多量に形成された。OPNおよびDMP-1の新生硬組織における局在様式には、両出力条件間での相違が観察された。
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