2011 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質再生のためのIn vitro覆髄モデルの構築
Project/Area Number |
21791861
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
半田 慶介 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40433429)
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Keywords | 直接覆髄法 / 象牙質再生 / 細胞増殖因子 |
Research Abstract |
当初の予定であったヒト歯髄細胞の不死化実験は継続しているが、完全な不死化細胞は、未だ得られていないのが現状である。昨年度に行っていたin vitroでの覆髄法の効果を判定するため、ラット大臼歯に対して人工露髄面を形成し、高周波ラジオ波メスによって止血を行い、修復象牙質形成を継続的に調べた。通常の止血法による止血と各種強度による高周波ラジオ波メスによる止血を比較検討したところ、統計学的に短時間で止血効果を示し、かつ良質な修復象牙質形成が観察された。また、歯髄の炎症性反応は、通法に比較して炎症反応が少なかった。これらの結果は現在論文発表準備中である。また、新規直接覆髄剤の評価のためには、統一した実験モデルの作製が重要である。そこで露髄径の大きさを規格化し、露髄径が修復象牙質形成にどのような影響があるかを検討した。ウィスター系雄性ラットの上顎第一臼歯に人工露髄面を形成し、各種大きさのKファイルを用いて露髄部の拡大を行った。#30によって拡大された露髄径では、術後14日目にて良質な修復象牙質が形成された。歯髄は軽度の炎症性細胞の浸潤が観察されたが、空胞変性は観察されなかった。一方、#50群および#80群、#100群では、トンネル状欠損を有する修復象牙質の形成が観察され、歯髄は炎症性細胞の浸潤を伴った空胞変性が観察された。これらの結果から、露髄径の大きさは、良質な象牙質再生および歯髄の炎症に影響を与えることが示唆された。さらにラット歯髄細胞およびマウス歯髄細胞株(MDPC23)を用いて、in vitroにおける覆髄の効果判定のための実験を行う予定である。
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