2009 Fiscal Year Annual Research Report
慢性根尖性歯周炎により誘導される異常疼痛の神経機構解明
Project/Area Number |
21791868
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
清水 康平 Nihon University, 歯学部, 助教 (10508609)
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Keywords | 歯痛 / 根尖病巣 / 歯学 |
Research Abstract |
平成21年度において目的としていた以下の各項目に対し、結果を報告する。 1)ラット臼歯根尖性歯周炎モデルの作製 CFA投与後1~8週間で、同歯根尖部に明らかな根尖病巣が経時的に発育していることを実験動物用CTにて確認した。その発育成長曲線より、PerラットはShamラットと比較して優位な根尖病巣の発育が確認された。その発育はCFA投与後2~3週でpeakに達し、その後は優位な発育の変化は確認されなかった。以上の結果より、CFA投与後におけるラット臼歯根尖性歯周炎モデルが確立できたことが明らかとなった。また、その発育成長曲線より、根尖病巣の発育状態の経時的変化を捉えることができ、本研究計画および今後の他の研究計画、実験系においても応用可能であると考えられる。 2)機械刺激により誘発される筋放電(EMG)の記録 交付申請書に記載においては筋放電(EMG)の記録を計画していたが、その手技の困難性より、機械刺激による逃避行動閾値の測定に方法を変更した。具体的には同歯を覆う皮膚上部をvon Frey filamentで機械刺激し、PerラットおよびShamラットにおける逃避行動閾値の変化を検索した。刺激後1日および3日で、PerラットではShamラットと比較して、同側有意な逃避行動閾値の減少が認められたが、刺激後7日よりShamラットとほぼ同程度の値まで逃避行動閾値は回復した。以上の結果を、上記1)で得られた根尖性歯周炎の発育状態変化を踏まえ考察すると、その発育段階早期において、非常に強い疼痛閾値の低下が惹起している可能性が考えられ、その後期においては、ほとんど疼痛反応が認められない可能性が示唆された。 3)三叉神経節細胞の細胞内物質合成変化の検索 上記1)および2)の結果を用いて、現在検索中である。
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Research Products
(4 results)