2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791872
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
庵原 耕一郎 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 口腔疾患研究部, 研究員 (60435865)
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Keywords | 歯髄再生 / 歯髄幹細胞 / 遊走因子 / 抜髄 / 感染根管治療 |
Research Abstract |
本研究は、抜髄後あるいは感染根管治療後の根管内血管新生、歯髄再生を目指して、幹細胞の根管内遊走を促進する蛋白質を検索し、その蛋白質を根管内に応用して、より早期に確実に歯髄再生に導く新しい歯内治療法を開発することを目的とする。歯髄を保存することで高齢化社会における歯の延命化によるQOL向上につながると考えられる。一方、他の組織の創傷部位においても、この遊走因子を局所に応用することにより、幹細胞を用いた全身の組織再生のための細胞治療法をより有効にできる。昨年度、in vitroにおいてG-CSFが歯髄幹細胞を効果的に遊走させる事を明らかにし、歯髄再生において遊走因子として使用できる可能性を示唆した。今回、in vivoにおいてG-CSFを強く発現する歯髄幹細胞をマウスの皮下に抜髄された歯牙と共に移植し、歯髄再生に有効であるかを検索した。まず、ブタの歯髄組織よりフローサイトメーターを用いて、歯髄幹細胞であるCD31陰性SP細胞を分取し培養、増幅した。また、ブタの歯牙を抜歯、#100のHファイルにて抜髄後高さ5~6mmに切断し、CD31陰性SP細胞をコラーゲンと共に注入したものをSCIDマウスの皮下に移植した。移植後14日目に歯牙を取り出し、HE染色、BS-1 lectin、PGP9.5にて免疫染色を行った。その結果、歯髄CD31陰性SP細胞を注入した歯牙の内部に置いて歯髄様の組織が形成された。またBS-1 lectinにて血管、PGP9.5にて神経が形成されている事を確認した。これより、G-CSFを強く発現するCD31-SP細胞は歯髄を再生させるのに有効であることが示された。今年度はイヌの歯牙にリコンビナントG-CSFを歯髄幹細胞とともに移植して実際に歯髄再生が可能であるかを検索する予定である。
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