2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨結合を促進するインプラント表面性状と早期荷重条件との相互作用
Project/Area Number |
21791876
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 奈央子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (80510015)
|
Keywords | 早期荷重 / インプラント表面性状 / 骨結合 |
Research Abstract |
インプラント埋入後即時荷重・早期荷重のコンセプトが臨床経験主導の元進められているが、未だ生物学的エビデンスが不足している。メカニカルストレス(荷重)は骨芽細胞の細胞増殖や分化を左右し、骨形成に影響する。一方、表面粗さ・化学組成といったインプラント体表面性状は、骨形成に影響を及ぼすことが知られている。この様に、荷重とインプラント体表面性状はそれぞれが単独で骨形成に影響を与えることは知られているが、両者の相互作用的影響に関しては、ほとんど明らかにされていない。そこで本研究では、表面粗さのことなる表面性状のインプラント体(鏡面、粗面)に持続的水平荷重を加え、インプラント周囲の骨形成、骨結合に与える影響を生物学的に評価し、表面性状と荷重の最適条件を検索する事を目的とし、以下の結果を得た。 ・インプラント周囲上部皮質骨密度(マイクロCTによる解析):荷重負荷により、鏡面インプラントには影響がみられなかったが、4週において粗面インプラントは減少した。 インプラント埋入後即時に持続的水平荷重を加えた際、鏡面、粗面インプラント両群とも荷重 ・インプラント-上部皮質骨接着面積(マイクロCTによる解析):荷重負荷により、鏡面インプラントには影響がみられなかったが、2週において粗面インプラントは減少した。 ・インプラント-骨接着強度(除去トルク試験):荷重負荷により、1週において鏡面インプラントは減少したが、粗面インプラントには影響がみられなかった。 これらの結果より、即時荷重は異なる表面性状を有するインプラントを介し、周囲骨にそれぞれ異なる影響を与えること、また創傷治癒後期に即時荷重は両表面性状のインプラント周囲骨に対して、悪影響を及ぼさない可能性が示唆された。
|
Research Products
(4 results)