2009 Fiscal Year Annual Research Report
FEAとCT画像解析に基づくメカニカルストレスと骨代謝反応に関する検討
Project/Area Number |
21791878
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
重光 竜二 Tohoku University, 病院, 医員 (00508921)
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Keywords | インプラント / FEA / メカノバイオロジー / 骨代謝反応 |
Research Abstract |
研究目的であるインプラント周囲骨代謝に影響を与える応力成分の解明および患者個々に対応するインプラント設計最適化アルゴリズムの確立を目指して、本年度は患者の生体力学的個体差を反映したFEM応力システムの応用を行った。具体的には実際の患者CTデータおよび口腔内で実測された三次元荷重を用いて有限要素解析を行い、インプラント埋入方向、経時的に変化する口腔内実測荷重値・方向、これらがインプラント周囲骨における応力に対して与える影響の考察を行った。インプラント周囲骨代謝に関連する応力成分の解明を行うことを目指し、応力評価に際しては一般的な数値解析に用いられている局所的な最大応力値のみならず応力空間的な分布を考慮して、インプラント周辺の応力集中領域における平均応力値・応力集中領域の体積量、これら2種類の評価値を用いた。解析結果から被験者口腔内と同様のインプラント埋入方向とした場合に較べて、インプラント埋入方向を最大咬みしめ時の荷重方向に一致させた場合に評価値上で最大73.6%の応力低減効果が見られた。これはインプラント周囲骨における応力発現およびそれにより影響を受ける骨代謝反応に対して、荷重方向およびインプラント方向が大きな影響を与えることを示唆している。インプラント方向がインプラント周囲骨における応力発現に対して影響を与えることはこれまでにも報告されているが、被験者口腔内で実測された二次元荷重をもちいて解析をおこなっている点において本解析は臨床的状況下における口腔内のシミュレーションとして単純化誤差の影響を受けておらず、患者個々の口腔内状況に適したインプラント設計を行うための診療支援ツールへの応用が期待できる。
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Research Products
(1 results)