2009 Fiscal Year Annual Research Report
下顎無歯顎患者への即時荷重インプラントオーバーデンチャーの機能評価と生存分析
Project/Area Number |
21791880
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
金澤 学 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (80431922)
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Keywords | インプラントオーバーデンチャー / 無歯顎 / 即時荷重 / サージカルガイド |
Research Abstract |
欧米では下顎無歯顎患者に対する治療法の第一選択はインプラント2本を維持源としたインプラントオーバーデンチャー(IOD)であるとされているが、現在の術式には以下のような問題がある。手術後2-8週間はインプラントのオッセオインテグレーションを期待するため、インプラント周囲の義歯を削除した安定の悪い義歯を使用しなければならない。また、フラップを開ける(歯肉剥離を行う)ために外科的侵襲が大きく、インプラント埋入手術に熟練を要する。これらの問題を解決するため、サージカルガイドを利用したフラップレス(歯肉剥離を行わない)手術による即時荷重2ボールアタッチメント維持IODを考案した。 この術式ではインプラント埋入手術にサージカルガイドを利用することにより、術者の技量に左右される事なく、安定した結果を得ることが可能となる。また、フラップレス手術は歯肉を剥離しないために高齢患者への外科的侵襲が少なく、創面が形成されないため、即日から義歯の使用が可能となる。このことから患者が義歯の使用できない、もしくは義歯の安定の悪い期間は皆無となり、インプラント手術同日から、インプラントを維持源とした安定性の高い義歯による摂食が可能となる。 東京医科歯科大学歯学部附属病院に通院し、下顎全部床義歯の新製が必要な下顎無歯顎患者10名に対して下記の治療を行い、機能評価を行った。 1.下顎全部床義歯を通法に従い作製した。 2.作成した全部床義歯をラジオグラフィックガイドとしてCT撮影し、サージカルガイドを作製した。 3.サージカルガイドに基づき、フラップレスにて左右犬歯部位へインプラントを2本埋入した。 4.インプラント埋入手術終了後にボールアバットメントを装着し、全部床義歯にゴールドキャップを装着。手術当日から義歯を使用し、食事は通常通り行った。 5.1週間後から、患者による義歯の着脱と清掃を行った。 6.6ヶ月後、通法通りIODを作製した。
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