2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791886
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
昆 はるか 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40447636)
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Keywords | 頭頸部痛 / 顎関節症 / 頭部運動 |
Research Abstract |
目的:申請者はこれまで顎関節症患者の診断に役立てるため頭部運動解析を行ってきた.一方で,頭頸部痛を訴える患者の中には,頸椎症等の重篤な疾患が含まれていることがあり,顎関節症患者と早期に鑑別診断することが課題となっている.本研究では,顎関節症患者,および頸椎症等の整形外科歯科患者における頭部運動動態や筋電図波形の特徴を明らかにすることにより,顎関節症と他疾患を鑑別する低侵襲で簡便な検査方法を確立することを目的とした. 22年度の研究実施計画:21年度前半に学会発表した内容について,被験者の選定等について問題あるとの指摘を受けたため,21年度後半は追加データの測定を行った.今年度は21年度に学会発表した健常被験者のデータを改めて,89^<th>IADRでその成果を発表した.また論文投稿のための準備を進めた. 22年度に新たに得られた知見:顎関節症患者の繰り返しの開閉口運動について,運動の開始点を頭部と下顎で比較した結果,以下のことが明らかになった.健常者では,運動開始直後(随意運動)は下顎が頭部に先行して動き始めるのに対し,III a型の顎関節症患者では,頭部が下顎に先行して動き始めることが明らかになった.これは,開口し始める際に,顎関節症患者では予測制御が強く働き,運動の本体である下顎より頭部が先行して動き始めていることが示唆された.これは,これまで他のグループが鞭うち症患者の頭部運動と下顎運動から得られた結果と異なり,今後顎関節症患者と鞭うち症との鑑別に役立つ可能性が考えられた.
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