2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791886
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
昆 はるか 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40447636)
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Keywords | 頭頸部痛 / 顎関節症 / 頭部運動 |
Research Abstract |
下顎の開閉口運動において,健常者では,頭部は開口時に後上方へ,閉口時に前下方へと動いており,その運動は下顎と協調しているが,顎関節症患者では,下顎と協調する頭部運動の出現率が低下する.本研究では関節円板転位患者(以下IIIa型患者と略す)10名と健常者11名が開口する際の,頭部と下顎の動き始めるタイミングついて詳細に調べた. 健常者では,運動開始直後(随意運動)は下顎が頭部に先行して動き始めるのに対し,IIIa型の顎関節症患者では,頭部が下顎に先行して動き始めることが明らかになった.これは開口し始める際に,顎関節症患者では予測制御が強く働き,運動の本体である下顎より頭部が先行して動き始めていることが示唆された.この結果は,これまで他の研究グループが鞭うち症患者の頭部運動と下顎運動から得られた結果と異なり,顎関節症患者と鞭うち症とでは,同じ頸部痛があっても運動生理学のメカニズムに相違があることが考えられた. これらの内容は国際誌に投稿し,今年度に受理された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度,昨年国際学会で発表した内容が国際誌に受理され,概ね予定通りに進展している.しかし,今のところ本研究で最終的にターゲットとしたい患者が被験者として十分集められていないため,他施設等との協同研究などの検討が必要かもしれない.
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Strategy for Future Research Activity |
上記にも記載したが,ターゲットとしている被験者が十分集まっていない.他施設との協同研究等を視野に入れてデータを増やすことを検討したい.一方で,顎関節症患者のデータの中にも,未解明な点があるため,顎関節症に特有の運動様相等を明らかにすることも並行して進める予定である.
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Research Products
(4 results)