2009 Fiscal Year Annual Research Report
味や香りに対する情動が咀嚼時の循環応答に与える影響
Project/Area Number |
21791887
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長谷川 陽子 Osaka University, 歯学部附属病院, 医員 (60432457)
|
Keywords | 咀嚼 / 脳循環 / 味と香り / 体循環 / 自律神経活動 / 情動 |
Research Abstract |
本申請課題は,被験食品の味や香りの違いが咀嚼時の循環応答に及ぼす影響を詳細に検討することを目的に,味や香りの異なる被験食品を咀嚼時の脳循環(中大脳動脈血流速度と前頭部血流変化),体循環(心拍数と動脈血圧),自律神経活動(心拍血圧ゆらぎ解析)を同時計測し,統計学的分析を行う.また,VASを用いて咀嚼時の主観的情動を,心拍血圧ゆらぎ解析により客観的情動を評価し,味や香りの異なる被験食品を咀嚼した時の情動変化が循環応答にどのような影響をもたらすのかを明らかにする. 今年度は,味1種類(ショ糖),香り1種類(レモン)を組み合わせを変えた3種類のガムを製作し,実験を行った.その結果,味および香りがあるガムが最も循環を賦活し,心臓迷走神経活動は味および香りがあるガムと味のあるガムで有意に抑制され,心臓交感神経活動が亢進した事から,ガムの甘味・香りは脳循環・体循環・自律神経活動の賦活化に影響を与え、味のある食品を摂取することが脳循環をはじめとする循環系の賦活化に重要であることが示された。また、無味のガム咀嚼では心臓迷走神経活動が変化しなかったため循環系の賦活化が抑制されたと考えられ、自律神経活動が循環調節に深く関わっていることが示された。この結果は,今年度の学会にて報告しており,現在は英文誌に投稿するため総括中である.来年度は,被験食品に検討する予定である.
|