2010 Fiscal Year Annual Research Report
義歯安定剤使用者のための新規低生体為害性オーラルセルフケア法の開発
Project/Area Number |
21791898
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
原田 佳枝 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60432663)
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Keywords | 義歯洗浄剤 / 洗口剤 / 口腔ケア |
Research Abstract |
不十分なオーラルケアは口内炎や誤嚥性肺炎を誘発する。現在市販されているオーラルセルフケア製品について、まず抗菌力を調べることによって、どの程度その疾病を予防できるか考える上の指標とした。さらに、その実験に用いた製品の義歯安定剤の溶解性について検討を行い、2つの視点より最もオーラルケアに適した製品について検討した。 市販義歯洗浄剤10種(ホームケア用8種、プロフェショナル用2種)についてのCandida albicansに対する抗菌力をディスク法で測定した。プロフェッショナル用2種については、どのホームケア用の製品よりも高い抗菌力を示した。ホームケア用製品についてはamphotericin Bとほぼ同程度の抗菌力を有する製品もあったが、全く阻止円を形成しない製品もあった。 また、この実験に用いた義歯洗浄剤のうちホームケア用5種について義歯安定剤溶解性を検討した。粉末タイプ義歯安定剤よりもクリームタイプ義歯安定剤の方が除去には時間がかかる傾向にあった。クリームタイプ使用時には、浸漬時間が18時間より短いと、精製水よりも除去されづらい製品も多くあったが、18時間以上浸漬した時には、殆ど全ての義歯洗浄剤において、精製水より除去効果が認められた傾向にあった。しかし一般的には義歯洗浄剤の使用は12時間程度であることから、より早期に義歯安定剤を完全に除去できる洗浄剤が必要であると考えられた。 これにより、義歯安定剤を溶解する製品の傾向を理解し、短時間で効果的に義歯安定剤を除去する方法について検討を行っていく予定である。
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