2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791901
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
渡邉 恵 The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40380050)
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Keywords | 金属アレルギー / 樹状細胞 / MAPキナーゼ / ニッケル |
Research Abstract |
我々は,これまでにニッケル(Ni)アレルギー発症マウスを作製し,そのモデルマウスを用いた解析により金属アレルギーには樹状細胞(DC)とT細胞が深く関与していることを明らかにした.また,Niで刺激したDC上ではMAPキナーゼカスケードの中でもp38MAPキナーゼとその上流のMKK6のリン酸化が亢進していることも明らかとなった. そこで,アレルギー発症メカニズムをさらに深く追求するために,Niアレルギー発症過程におけるDCの活性をp38MAPキナーゼカスケードにより制御し,金属アレルギー発症を制御することを試みた. 通法に従ってNiを腹腔に投与し(感作),2週間後に耳介皮下に再度Niを投与して(惹起)アレルギーを発症させたマウスをコントロールとした.MKK6活性化増強群では,pcDNA3.1-MKK6を培養DCにjet PEI mannose試薬を用いて遺伝子導入し,DC上にMKK6を強発現させた.そのDCを48時間Niで刺激した後にマウス腹腔に投与することで感作とし,通法通りに惹起を行った.MKK6活性化抑制群では,あらかじめ感作したマウス耳介皮下にMKK6SiRNAをアテロコラーゲンと共に投与し,5日後に惹起した. その結果,MKK6活性化増強群では,マウスの耳介腫脹量はコントロール(平均1.0mm)と比べて有意に大きく(平均1.4mm.p<0.01),MKK6活性化抑制群では有意に小さくなった(平均0.4 p<0.01). この結果から,本手法によりMKK6発現を調節することでアレルギー症状を調節できることが明らかとなった,今後,同様の手法でRhoA,Rac1遺伝子を調節してさらにアレルギー症状の増悪,軽減を観察する予定である.これらの遺伝子を調節することによってアレルギーそのものを調節することができれば,金属アレルギーの治療方法に有用であると考える.
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Research Products
(4 results)