2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791902
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
本釜 聖子 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60380078)
|
Keywords | 嚥下障害スクリーニングテスト / MIセンサ / 摂食・嚥下障害 / 嚥下姿勢 |
Research Abstract |
本研究の目的は,磁石とMIセンサを応用した自作の計測方法を用いて,得られる波形を分析(波形の形態,時間関係)し,嚥下障害のスクリーニング法として自動判定,または,嚥下障害を波形から判別するシステムを構築することにある.嚥下障害の訓練には,姿勢の設定が重要視されており,さらに,唐辛子の辛味成分であるカプサイシンは,咳・嚥下反射を改善させると報告されている.今年度は,嚥下姿勢と辛味成分が嚥下機能に及ぼす影響を調査するために,嚥下運動を記録・分析し,検討を行った. 被験者は,本研究の主旨に同意した徳島大学歯学部学生および徳島大学来院患者とした.嚥下姿勢は,90度座位,90度座位頸部前屈,仰臥位(30度),仰臥位(30度)頸部前屈の4姿勢とした.辛味成分を含有した試験液を5ml嚥下させた.甲状軟骨付近の皮膚に棒状のNd-Fe-B磁石(420mT)を,胸骨弓付近の皮膚に高感度交流磁場検知センサ(MI-CB-1Ds, Aichi MI Co.)を両面テープで貼りつけた.30秒間の空嚥下(唾液の飲み込み)をさせ,嚥下運動に伴う磁石の動きを磁気センサの出力変化として捉え,その出力を16bitADカードでコンピュータに取り込み,解析した. 結果,姿勢も辛味成分も嚥下運動に影響を与え,とくに仰臥位になるほど嚥下時間が短縮される傾向にあった.カプサイシン含有溶液を嚥下することで,嚥下時間は有意に短縮した.本検査法の有用性と,姿勢変化と辛味成分を用いた摂食・嚥下指導,訓練やリハビリテーションへの可能性を示唆するものと思われる.
|