2010 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲的インプラント術前骨増生法の開発ー臨床応用に向けた研究ー
Project/Area Number |
21791907
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
神野 洋平 九州大学, 歯学研究院, 助教 (40507779)
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Keywords | 歯科用インプラント / 骨 / 骨増生 / スタチン / 非侵襲 |
Research Abstract |
本研究では、我々が開発した新術式(単回のスタチン投与による無切開・非侵襲的インプラント術前増生)の早期臨床応用が目的である。スタチンとは、高脂血症治療薬の第一選択薬である。スタチンの骨芽細胞分化促進能が報告されて以来(Mundy et al.1999)、スタチンと骨形成に関連する多数の報告がなされている。骨形成に有効であることが示唆されたスタチンを徐放させることにより、さらに効果的に骨形成を促進できると考え、予備実験において我々が考案したαTCP-コラーゲン-スタチン複合体をラット頭蓋骨上に経皮的に注射投与し、複合体周囲への新生骨の添加を確認した。我々が開発した骨増生法の有用性を実証するために、(1)骨添加のメカニズムの解明、(2)増生された骨の長期的予後、(3)大動物の顎骨における骨増生効果の検討、(4)増生された骨に対するインプラント体埋入の妥当性の研究、の4点を目標として研究を計画した。平成22年度に得られた知見について報告する。 前半((1)、(2))に関しては、平成21年度に研究を行い、すでに報告済みである。 (3)大動物の顎骨における骨増生効果の検討 ビーグル犬の抜歯後の歯槽骨(下顎)および、鼻腔近傍の歯槽骨(上顎)に複合体を経皮的に注射し1カ月後に屠殺し、組織学的検討を行ったが、新生骨の添加は認められなかった。ラットの口腔内でも同様の実験をおこなったが、新生骨の添加は認められなかった。 (4)増生された骨に対するインプラント体埋入の妥当性の研究 (3)で新生骨の添加が認められなかったため、研究を行うことができなかった。 今後、スタチンの至適濃度を含めさらなる検討が必要である。
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