2009 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント支台の固定性補綴装置により無歯顎患者のブラキシズムが再燃するか?
Project/Area Number |
21791908
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
市来 利香 Kyushu University, 歯学研究院, 助教 (20325567)
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Keywords | ブラキシズム / インプラント / 無歯顎患者 / 補綴装置 / 筋電図 |
Research Abstract |
本研究では睡眠時ブラキシズムの既往が疑われる無歯顎患者において、インプラント支台の固定性補綴装置を装着することで、ブラキシズムが再燃するかどうか、前向きコホート研究を行い、睡眠時ブラキシズムの発生メカニズムの一端を解明することを目的とした。 今年度は主にシステムの構築と、対象となった被験者のデータの収集を行なった。最初に現有のブラキシズム測定装置の解析ソフトの改変を行い、ブラキシズム測定システムを構築した。問診とブラキシズム調査票により、ブラキシズムの既往がありインプラント治療により固定性補綴装置を装着予定となる無歯顎患者は4名であったが、アメリカ睡眠学会のブラキサー判定基準を満たさなかった。そこで、ブラキシズムの既往を選択基準とした被験者4名について、インプラント治療前に被験者の臨床検査と義歯満足度調査を行った結果、可徹性義歯による疼痛のVAS値が高い傾向にあった。 一方、ブラキシズムの客観的データを得るため、インプラント治療前の睡眠時咬筋筋活動の測定を行った。筋活動の測定には、携帯型筋電図測定システムを用いて行い、コンピュータ上でブラキシズムのイベント数(EVENT),持続時間(DURATION),筋活動量(AREA)の3つのパラメータを算出し、ブラキシズムの回数、強さ、長さの変化などについて検討した。また、筋活動分布の解析を行い、3つのパラメータについて検討した。その結果、インプラント治療前の睡眠時の咬筋筋活動は低い傾向にあったが、これは義歯を装着していない状態によるものと考えられた。今後は、固定性補綴装置装着後のデータを順次測定し、被験者数を増加させるために関連病院に研究協力を要請する予定である。
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