2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791921
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
飯田 崇 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (50453882)
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Keywords | クレンチング / 脳イメージング / 機能的磁気共鳴装置 |
Research Abstract |
Awake bruxismとは日常生活中に無意識に行われている歯のクレンチングであり、非機能な行動として顎口腔領域へ悪影響を及ぼしていると考えられている。本研究の目的はヒトが目常生活で生じるawake bruxismのメカニズムを、脳イメージングを用いて中枢側より解明することである。昨年度までの実験にて、手指のクレンチング(握り締め)と歯のクレンチング(咬みしめ)を比較し、前頭前野の脳賦活にて歯のクレンチングにて優位な賦活を認めること、歯のクレンチングの強度と脳賦活の活動強度に相関関係を認めることを明らかにした。本年度では顎運動中の脳賦活における咀嚼筋筋活動の役割に関する検討を機能的磁気共鳴装置、近赤外光脳機能イメージング装置を用いて行った。歯のタッピング運動とタッピング様運動を被験者への課題とし、両測定装置にて脳賦活部位の同定および脳賦活部位における活動量の検討を行った。機能的磁気共鳴装置を用いた実験では両課題ともに脳賦活部位を感覚運動皮質、補足運動野にて認め、両測定装置の実験結果より両課題において脳賦活部位における両課題間の活動強度に優位差を認めなかった。これらの実験結果より顎運動中における咀嚼筋筋活動が脳賦活を引き起こす主要因子であることが示唆された。また昨年度の研究成果を含めて考察すると、歯のクレンチング中における持続的な歯の接触が前頭前野の脳賦活に深く関与していることが示唆された。しかしながら現在までの研究成果ではawake bruxismのメカニズムを完全に解明するまでには至らず、今後更なる追加実験が必要と考えられる。
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