2010 Fiscal Year Annual Research Report
複合型フッ素化アパタイト被覆二酸化チタンを応用した歯科材料の開発
Project/Area Number |
21791922
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
柴田 武士 神奈川歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (80329200)
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Keywords | 二酸化チタン / フッ素 / アパタイト / 光触媒 / 義歯床用レジン / シランカップリング |
Research Abstract |
本研究は、義歯に付着した汚れ(デンチャープラークなど)を巾長期的に分解できる防汚機能、強度性能を持ったレジンを開発することを目標としている。 I.複合型フッ素化アパタイト被覆二酸化チタン(FAp-TiO_2)配合レジンの防汚性試験 試験片を48穴プレートに置き、塩化カリウム緩衝液にて調整したCandida albicans菌液に浸漬させ、紫外線照射下で2時間培養した。その後、試験片上に付着した菌数をBioluminescence法にて測定した。また、C.albicansの形態変化を調べるために電子顕微鏡(SEM)像観察を行った。 その結果、コントロール群と比較しC.albicans付着の減少が認められた。SEM像分析では、コントロール群で観察できなかったC.albicansの細胞変形が認められた。 II.FAp-TiO_2配合レジンの色調に及ぼす影響について FAp_TiO_2配合義歯床用レジンの二酸化チタン配合率別による光線透過率は、配合率の増加に伴い透過率が小さくなり、有意差はすべての試料間で認められた。Translucency Parameter(TP値)は配合率の増加に伴い値が減少した一方、コントラスト比(Contrast Ratio : CR)は値が増加した。また、光線透過率と各測定値(TP値、CR)との間では強い相関が認められた。TP値、CRともに5%を超えると試料間で有意差が認められなかったことから、FAp-TiO_2の最適配合率は色彩学的検討から考えると5%前後であると示唆された。 III.物性試験 試験片を光未照射群と照射群に分け、万能試験機(EZ Test 500N,島津)にて曲げ強さおよび弾性率を測定した。コントロール群と比較し、二酸化チタンを配合することにより有意に曲げ強さは減少した。その中でFAp-TiO_2は従来型と比較し減少が抑制された。弾性率については、ISO規格(2000 MPa)を満たすものであった。
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