2009 Fiscal Year Annual Research Report
サーマルサイクリングと水中での定変位疲労試験がGFRCクラスプに与える影響
Project/Area Number |
21791924
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
瀧田 史子 Asahi University, 朝日大学歯学部, 助教 (10434507)
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Keywords | GFRC / サーマルサイクリング / 定変位疲労試験 / クラスプ |
Research Abstract |
ガラスファイバー強化型コンポジットレジン(Glass Fiber Reinforced resin Composite,以下GFRC)のクラスプへの臨床応用の可能性を検討してきた.これまでの研究では,実験中は室温空気中で行うことが多かった.しかし実際にGFRCをクラスプとして口腔内で使用するためには試験を37℃の水中で行う必要がある.そこで,まず真直型GFRCクラスプを用いて定変位疲労試験を37℃の蒸留水中で行い,疲労耐久性を検討した.試料はGFRCとしてEGファイバー(以下EG,クラレ)を用い,成形用モールドヘ填入し,メーカー指定に従ってα-ライト(モリタ)にて5分間光重合後,KL-310(クラレ)にて15分間加熱重合した.表面を研磨し,レジン製ホルダーにクラスプを固定した.試料数は5個とした.定変位疲労試験は万能試験機(EZ-Graph,島津製作所)を用いて行った.X-Yステージ上のバイスに固定したクラスプに対して,最大0.25mmの繰り返し変位を鉤尖部内面に対して垂直に蒸留水中(37℃)で負荷(10mm/min)した.負荷回数は1日5回義歯を着脱すると仮定し,1ヶ月間の使用に相当する300cycleとした.試験終了後,試料の定点から鉤尖部の距離を光学顕微鏡(キーエンス)にて計測し,また試料圧縮面,引張面も観察した.口腔内での1ヶ月間の使用を想定した定変位疲労試験の結果,維持力は8.36Nから7.00Nへと低下した.また光顕像から亀裂や破折は認められなかった.また,試料の定点から鉤尖部の距離は2.2%減少した.以上の結果から,1ヶ月間の口腔内での使用を想定した定変位疲労試験から,維持力は16.1%低下したしたものの,亀裂や破折は認められなかった.よって,GFRCクラスプは臨床応用が可能であることが示唆された.
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