2010 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント埋入時顎骨に生じる内部応力の解明に関するシミュレーション実験
Project/Area Number |
21791934
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山口 葉子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (30431927)
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Keywords | 初期固定 / トルク値 / インプラント / 模擬骨 / 維持力 / 即時負荷 |
Research Abstract |
インプラント埋入時に周囲の骨を押し広げて進む回転力に対して顎骨が示す力学的反応を調べる目的で、文献的に検索・選定した皮質骨類似の模擬骨材料を用いたシミュレーション実験を計画した。顎骨が示す力学的反応はインプラントの初期固定に必要な維持力として利用されていることを勘案し、本研究では顎骨による維持力について(1)インプラント埋入によって生じる維持力の大きさとその経時的変化、(2)インプラントの種類、形状、ならびにインプラント埋入時のトルク値と維持力との関係などを検討し、(3)初期固定に最適なインプラントの埋入条件を求めることを目的とした。本実験で使用した模擬骨は上顎臼歯部顎骨の物性に近似し、切削時の切削感や埋入時の抵抗感などが生体とほぼ同じであり、インプラントに関する研究で使用する模擬骨として有用性が高いことが示唆された。ストレートタイプのインプラント体における埋入トルク値と除去トルク値はインプラント体の長さに応じて変化し、それぞれ有効スレッド数と正の関係を示した。除去トルク値は緩め始めてからの1秒間に一気に最大トルク値に達した後急激に下降した。したがって、インプラント体が一度緩むと維持力は急激に消失することから、除去トルク値はインプラント体の維持力として埋入トルク値より重要であることが示唆された。埋入後荷重を与えずに静置したインプラント体の除去トルク値は、埋入直後から1ヶ月後まで、大きな変化を示さず、機械的な維持力が持続することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)