2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791935
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
羽下 麻衣子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教 (60535219)
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Keywords | インプラント / 骨結合 / 細胞・組織 / 歯学 |
Research Abstract |
歯科インプラント成功の基準の1つとされる"Osseointegration(骨結合)"獲得後も、窩洞形成により傷害を受けた骨がインプラント周囲に存在している。この傷害を受けた骨を含め、インプラント周囲骨組織に関してはいまだに不明な点が残っている。研究代表者は昨年度、インプラント周囲骨組織に関して、骨細胞・骨細管系の配列が経時的に回復することを示した。今年度は、ラット上顎骨インプラント植立モデルを用いて、骨基質の維持・調節に関与する骨細胞の機能と関連したFibroblast growth factor 23 (FGF23)、Sclerostinに対する免疫染色などを行い、以下のような結果を得た。一部の骨細胞の形態が変化し不規則的な配列を呈するインプラント植立後早期のインプラント周囲骨では、FGF23弱陽性反応を示しており、インプラント窩洞形成によって、骨細胞は一時的に機能低下することが推察された。周囲骨では、アルカリフォスファターゼ(ALP)陽性骨芽細胞、酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ(TRAP)陽性破骨細胞による活発な骨改造が誘導され、骨細胞の配列が不規則な線維性骨が形成された。その後、インプラント周囲の骨細胞がSclerostin強陽性反応を示し、ALPおよびTRAP陽性細胞数は減少したが、消失はせず、骨ラベリングにおいても恒常的な骨改造が確認された。インプラント周囲骨の骨細胞の配列は経時的に規則的になり、FGF23強陽性反応が観察された。以上の結果は、昨年度までに得られたインプラント周囲骨の変化を裏付けていた。また、インプラント周囲骨における骨細胞の配列と機能は連動しており、骨細胞・骨細管系の幾何学的構築がインプラント周囲骨の機能維持に重要であることが推測された。
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Research Products
(6 results)