2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハプテンの大きさから検討する金属アレルギー発症メカニズムの基礎研究
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21791943
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤田 剛史 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90432971)
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Keywords | 歯科用合金 / 金属アレルギー / 電気化学測定 / 紫外可視吸収スペクトル |
Research Abstract |
チタン合金と純銀を試料として選定し電気化学測定を行った。今まで行ってきた電気化学測定と条件を同じにするため、両金属においてはじめに熱処理を行いまた試料表面の研磨も行った。熱処理と研磨後の金属を電気化学測定に供するのに、金属イオンを試験液中に濃縮させる目的で、今までの電解槽ではなく新規購入した二層式電解槽(HX-104,北斗電工株式会社)を使用した。試験液(電解質溶液)は0.9%NaCl水溶液と細胞毒性試験に使用される10%血清(タンパク質含有)を含んだものを用意した。電気化学測定は、リニアースイープボルタンメトリーでポテンショスタットの設定は、電位の測定範囲を-0.6→+1.0Vの方向、掃引速度を1mV/sにし、2種類の試験液で測定を行った。チタン合金では生理食塩水とタンパク質含有試験液の両者間で流れる電流密度値に差はあまりなかったが、純銀ではタンパク質を含んだ試験液では1/100程度電流密度値が小さかった。光学顕微鏡で測定後の試料表面を観察してところ、チタン合金では測定前後で明らかな違いがわからなかったが、純銀では表面が測定後では変色しており、表面に腐食生成物が確認できた。購入した紫外可視分光光度計(V660,日本分光株式会社)で電気化学測定後の試験液を分析した結果350~400nmで吸光度が急激に下がっているのがわかった。銀イオンの溶出と血清中のタンパク質との反応が関係していると考えられ、22年度以降試験液の濃度を変更することやまたキレート剤を試験液に使用しこの関係を解明しようと考えている。
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