2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯根破折防止を可能にするヒト歯質のフラクトグラフィ解析による歯の疲労寿命予測
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21791950
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
井上 利志子 昭和大学, 歯学部, 研究補助員 (90398701)
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Keywords | 歯 / 歯質 / 象牙質 / 強度特性 |
Research Abstract |
口腔領域は摂食をはじめとして多くの重要な機能を担っており,歯の強度特性を検討することは重要なことであると思われる.歯は歯冠部分と歯根部分からなり,歯根部での破折は歯冠部とは異なる様相を呈し,重篤な症状になり,抜歯になる可能性も高い. 歯根部の強度特性を詳細に解明するために,現在までに歯根象牙質の疲労試験を行ったところ,歯根象牙質の疲労強さは引張強度の約半分程度であった.すなわち,歯冠象牙質に比べて,歯根象牙質の脆弱性が明らかとなった.そこで今年度は,疲労試験後の破断面を電子顕微鏡にて詳細に観察を行った. 象牙質は歯髄からエナメル質およびセメント質方向に放射状に走る細い管である象牙細管が存在する.象牙質は象牙細管,象牙細管の周囲の高石灰化環状帯である管周象牙質および管周象牙質間に存在して象牙質のほとんどを構成している管間象牙質から構成されている. 疲労破断面に特徴として現れるストライエーションが,管間象牙質において確認された.ストライエーションは象牙細管に対して直交するように存在した.象牙質をコラーゲンとハイドロキシアパタイトから成る複合材料として考えた際に.コラーゲンは象牙細管に対して直交するように配向しており,ストライエーションはコラーゲン走行に平行に発生することがわかった. 破断の起始部においては,管周象牙質と管間象牙質の境界部が不明瞭になる像が観察された.さらに,亀裂の伝播部においては,管周象牙質と管間象牙質の境界部は明瞭であったが,管周象牙質が一部破壊されている像が観察された.また管間象牙質は,一部コラーゲンが露出していた.起始部と伝播部において破壊機構は異なり,管周象牙質と管間象牙質の境界部が破壊の要因になっている可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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