2009 Fiscal Year Annual Research Report
化学療法に耐性を示す口腔癌は血清中のmiRNAで判定できるか
Project/Area Number |
21791960
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柳川 彩 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 学術研究員 (60514312)
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Keywords | 口腔癌 / miRNA / 化学療法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、マイクロRNA(miRNA)を用いて口腔癌の化学療法に対する感受性の程度を判定すること、および口腔癌が化学療法に対して耐性を獲得するメカニズムにmiRNAがどのように関与しているかを解明することである。 初めに研究実施計画に基づき、化学療法に対して耐性を示す口腔癌細胞におけるmiRNAの発現パターンを検索した。 化学療法に対して耐性を示す口腔癌細胞株を樹立するために、ヒト口腔癌細胞株HSC3をクローニングし、一つのクローンから増殖した数株を樹立した。それぞれの株を低濃度の抗がん剤(シスプラチン)で処理し、そのうちシスプラチン耐性能が高いものを耐性株、シスプラチン耐性能が低いものを非耐性株とし、それらのmiRNA発現パターンをマイクロアレイにより検索した。その結果、非耐性株に比べて耐性株で発現が亢進している遺伝子は少なく、減少しているmiRNAが多く種類検索された。この中にはこれまでに癌抑制に関与するmiRNAも含まれていた。 これらの結果から、シスプラチン耐性株と非耐性株においてmiRNAの発現パターンが異なることが示され、miRNAの発現低下が、癌をより悪性化する可能性が示唆された。 今後は、候補となったmiRNAの発現が減少すると、どのようなメカニズムでシスプラチンに対して抵抗性を獲得するのかを検索する。またmiRNAの発現が減少した理由を検索し、その発現を回復させると口腔癌細胞の抗癌剤耐性を緩和できるのかを検索したいと考えている。
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