2010 Fiscal Year Annual Research Report
化学療法に耐性を示す口腔癌は血清中のmiRNAで判定できるか
Project/Area Number |
21791960
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 彩 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 学術研究員 (60514312)
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Keywords | 臨床腫瘍学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、マイクロRNA(miRNA)を用いて口腔癌の化学療法に対する感受性の程度を判定すること、および口腔癌が化学療法に対して耐性を獲得するメカニズムにmiRNAがどのように関与しているかを解明することである。研究実施計画に基づき、実験では化学療法に対して耐性を示す口腔癌細胞におけるmiRNAの発現パターンを検索した。 化学療法に対して耐性を示す口腔癌細胞株を樹立するために、ヒト口腔癌細胞株HSC3をクローニングし、一つのクローンから増殖した数株を樹立した。それぞれの株を低濃度の抗がん剤(シスプラチン)で処理し、そのうちシスプラチン耐性能が高いものを耐性株、シスプラチン耐性能が低いものを非耐性株とした。耐性株と非耐性株における遺伝子とmiRNAの発現パターンの違いをマイクロアレイにより検索した。その結果、耐性株で非耐性株よりも発現が高い遺伝子が検索され、その遺伝子と結合することが予測され、非耐性株で耐性株よりも発現が高いmiRNAが検索された。この中には薬剤耐性に関与することが示唆されているmiRNAが含まれていた。 これらの結果から、シスプラチン耐性株と非耐性株においてmiRNAの発現パターンが異なることが示され、miRNAがシスプラチン耐性に関与することが示唆された。 今後は、これらのmiRNAを強制発現することにより口腔癌細胞がシスプラチンに対して耐性を獲得するかどうかを確認し、これらのmiRNAが細胞外に遊走するかどうか、口腔癌がシスプラチンに対して耐性を獲得するメカニズムにこれらのmiRNAがどのように関与しているかを検索したいと考えている。
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