2011 Fiscal Year Annual Research Report
化学療法に耐性を示す口腔癌は血清中のmiRNAで判定できるか
Project/Area Number |
21791960
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 彩 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 学術研究員 (60514312)
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Keywords | 化学療法耐性癌 / 口腔癌 / miRNA / シスプラチン |
Research Abstract |
現在までにシスプラチン耐性の遺伝子は多く報告されているが、臨床診断に用いることができるマーカーはいまだ同定されていない。そこで申請者はシスプラチン耐性に関与するマイクロRNA(miRNA)を検索し、そのmiRNAを用いて口腔癌の化学療法に対する感受性の程度を判定すること、および口腔癌が化学療法に対して耐性を獲得するメカニズムにmimAがどのように関与しているかを解明することとした。研究実施計画に基づき、実験では化学療法に対して耐性を示す口腔癌細胞におけるmiRNAの発現パターンを検索した。 化学療法に対して耐性を示す口腔癌細胞株を樹立するために、ヒト口腔癌細胞株HSC3を用いてsingle cell cloningを行い、一つのクローンから増殖した数株を樹立した。それぞれの株を低濃度の抗がん剤(シスプラチン)で処理し、そのうちシスプラチン耐性能が高いものを耐性株、シスプラチン耐性能が低いものを非耐性株とした。耐性株と非耐性株における遺伝子とmiRNAの発現パターンの違いをマイクロアレイにより検索した。その結果、耐性株で非耐性株よりも発現が高い遺伝子が検索された。またその遺伝子と結合することが予測され、非耐性株で耐性株よりも発現が高いmiRNAが検索された。この中には薬剤耐性に関与することが示唆されているmiRNAが含まれていた。 これらの結果から、シスプラチン耐性株と非耐性株においてmiRNAの発現パターンが異なることが示され、miRNAがシスプラチン耐性に関与することが示唆された。
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