2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子損傷に対する応答調節因子Pin1の活性阻害による口腔癌細胞の増殖制御
Project/Area Number |
21791966
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮下 仁 Tohoku University, 病院, 助教 (70372323)
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Keywords | プロリルイソメラーゼPin1 / p53 / 口腔がん / 遺伝子損傷 / 応答調節因子 / 転移 / 発現抑制 |
Research Abstract |
我々は既に(1)Pin1が口腔扁平上皮がん(OSCC)において過剰発現していること、(2)Pin1の発現がCyclinD1の過剰発現と相関していること、をmRNA及び蛋白レベルで明らかにすると共に、(3)Pinl阻害剤により細胞周期停止が起こり、細胞増殖の制御が誘導される事を確認した。本研究の前年度実績概容として、 (1)口腔扁平上皮がん細胞株を用いてPin1高発現細胞株の樹立を行った。p53のWild-type及びMutant-typeのがん細胞株について、各々Pinl高発現株を樹立した。 (2)その増殖能についてcontro1細胞株と比較した所、細胞増殖速度の上昇を示唆する結果が得られたが、現在も口腔がん以外の細胞株も用いて継続検討中である。 (3)Pin1高発現細胞株ではCyclinD1の発現も有意に増加しており、細胞増殖におけるPin1-CyclinD1機構がOSCCにおいても確認された。一方、Pin1高発現細胞株におけるp53 Wild-type及びMutant-typeの発現変化については今後検討予定である。 (4)Pin1阻害剤を用いたassayにより、口腔がんを含む各種がん細胞(大腸がん、卵巣がん等)株においても細胞増殖が制御されることを確認した。又、がんの種類に応じてIC50がかなりの差をもつことが判明したが、この原因は元々のPin1の発現量に依存することが分かった。今年度の研究概要として、 ・Pin1の発現レベルによるp53発現及び機能の差異と、細胞増殖との関連について ・in vivoにおける増殖能について ・Pin1 RNAiを用いた活性阻害による細胞増殖制御についてを検討していく予定である。
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Research Products
(9 results)