2010 Fiscal Year Annual Research Report
VEGF-C/-Dを標的とした頸部リンパ節転移抑制:エピジェネティカルアプローチ
Project/Area Number |
21791967
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
篠原 文明 東北大学, 病院, 助教 (80400258)
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Keywords | 癌 / エピジェネティクス / 血管新生 / リンパ節転移 |
Research Abstract |
本研究では、口腔癌で関与する様々な因子による血行性リンパ行性転移のメカニズムを解析し、癌の血管リンパ管新生因子や転移因子の発現抑制を用いた効果的な化学療法の開発を目的としている。 平成22年度は以下の内容に取り組み研究成果をあげた。 In vitroにおける抗腫瘍効果の評価 口腔扁平上皮癌細胞株(HSC-3、HSC-4)を用いて、癌の増殖、血管新生・転移に関連する上皮成長因子受容体(EGFR;epidermal growth factor receptor)のアンタゴニストの一つ、Cetuximabと各種抗癌剤(CDDP、5-FU)を併用し、抗腫瘍効果の検討をTUNEL法で、EGFRシグナル分子の関与についてはWestern blot法で解析した。 【結果】抗癌剤単独処理に比較して5-FUとCetuximabを併用することで、アポトーシスが増強したが、一方でCDDPとの併用では増強は認めなかった。この増強のメカニズムとしてPI3K/Akt経路の関与が示唆された。 【研究成果の意義】22年度の研究実施結果により、抗癌剤とEGFRの分子標的薬剤であるCetuximabの併用が癌抑制に有効であることが示唆された。また、PI3K/Akt経路の関与が示唆されたが、各種癌細胞のEGFRシグナル分子の遺伝子異常やエピジェネティクス変異、Cetuximabの感受性との関連性については更なる解析が必要である。
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Research Products
(3 results)