2009 Fiscal Year Annual Research Report
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21791970
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小枝 聡子 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (00400391)
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Keywords | 口腔外科学一般(含病態検査学) / 知覚 / 一次体性感覚野 / 大口蓋神経 / 舌神経 |
Research Abstract |
顎変形症患者は骨格性不正咬合のために-期的な顎矯正手術によりダイナミックな口腔環境の変化を経験する。この口腔環境のダイナミックな変化は、脳にどのような変化をあたえ、どのような適応をみせるのかについて、これまでに確認した報告はない。本研究では、顎矯正手術によるダイナミックな口腔環境の変化を中枢神経系の画像診断技術(ニューロイメージング)により解析し、顎口腔機能と脳機能の関連を研究した。顎変形症患者に対するニューロイメージングを用いた検査方法を確立するために、健常人ボランティアによるMEG(脳磁図)を測定し中枢変化を解析した。MEG検査は頭部磁場を計測するため、体動や磁性金属の存在はアーチフアクトとなり、解析を困難にする。そのため刺激となるトリガー、計測方法の工夫が必要となり、患者応用準備段階として計測に関する問題解決に取り組んだ。 顎変形症手術において上顎骨手術でもっとも使用されるLe Fort I型骨切り術を想定し、口蓋感覚を測定する刺激装置の開発に取り組んだ。健常人にて大口蓋神経刺激による体性感覚誘発磁界の測定に成功した。また、大口蓋神経電気刺激による体性感覚誘発磁界における反応を50msecまでに、15msec付近の短潜時第一波から第四波まで確認し、その極性を明らかにした。これまでのこの短潜時を含む一次体性感覚野における反応を明瞭に示したものは少なく脳機能活性化システム解明に計り知れない寄与を期待できる しかし、この口腔領域の脳磁場測定は極めて難しく、測定被験者のすべてに同一に検出されず、今後さらなる刺激装置の改良、また臨床応用に適した反応潜時を検討する必要がある。 また臨床応用として、舌神経機能障害患者について、舌神経電気刺激による体性感覚誘発磁界の測定による評価、予後評価の試みをおこなった。
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