2010 Fiscal Year Annual Research Report
G蛋白を中心としたPTHの骨形成促進作用メカニズムの解明と骨再生への応用
Project/Area Number |
21791973
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西條 英人 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80372390)
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Keywords | PTHシグナル / Gαs / Gαq / 骨代謝調節機構 / 骨形成促進剤の開発 |
Research Abstract |
本研究はPTHシグナルにおけるGαsとGαqの骨代謝調節機構をそれぞれ骨組織特異的に遺伝子を欠損させた遺伝子操作マウスを用いて独立に解析し、それぞれの関連シグナルを同定すると同時に、GαsとGαqシグナルのバランスによるPTHの骨形成促進作用の分子メカニズムを解明する。将来的に顎顔面領域の骨欠損に対する、より効果が強く副作用の少ない骨再生のための骨形成促進剤の開発に結びつけることが目的である。骨芽細胞においてGαqを介したシグナルに分化抑制作用があることが分かったが、Gαqのloss of functionについての解析は行われていない。コンベンショナルなGαs-、Gαq-KOマウスは両者ともにすでに作成されておいるが、Gαs-KOマウスは胎生初期に死亡してしまい、またGαq-KOマウスは胎生後期もしくは出生直後に血小板の異常により死亡してしまうため、骨量の変化が明らかとなる成人の骨の骨組織の解析が不可能である。そこで、両G蛋白の骨組織特異的なconditional KOマウスが必要となり、Cre/loxPシステムを用いて作成中である。GαsとGαqのそれぞれのタンパクをfloxで挟み込んだターゲティングベクターは構築しており、このベクターを用いてfloxマウスの作製を行っている。作出されたそれぞれのfloxマウスを、現在保有する骨芽細胞特異的にCreを発現するI型コラーゲン-Creマウスと交配させて、骨芽細胞特異的conditional KOマウスを作出している。昨年度作出したマウスにこれらの遺伝子の移行がみられなかったために、今年度は再作出を行っている。In vitroの解析として、PTHの骨形成促進作用が認められる骨芽細胞様細胞株(MC3T3E1、ST2等)培養系を用いてPTHシグナルの下流分子の解析を行っている。恒常的に活性を持つCA-GαsおよびCA-Gαq遺伝子を含むアデノウィルスを作成中である。
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Research Products
(6 results)