2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791976
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
川俣 綾 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (60527018)
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Keywords | 骨代謝 / AP-1 / JunD / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
本年度は骨芽細胞におけるJunDの機能について、分子メカニズムを解明するべく検索を行った。すなわち培養細胞系を用いて、JunD過剰発現下および発現抑制下における骨代謝に関わる分子シグナルについての解析を行った。まず、マウス頭蓋骨由来骨芽細胞株MC3T3-E1を用いてJunDの過剰発現系および発現抑制系を作製し、骨芽細胞の増殖ならびに分化指標の発現を検索したところ、JunD過剰発現系ではアルカリフォスファターゼ(ALP)のmRNA発現が増加し、JunD発現抑制系では減少した。そこで、野生型およびJunD KOマウスを用いてその切片を作製し、骨芽細胞についてALPを指標として免疫組織学的な染色を行い、ALP陽性細胞数を解析したところ、JunD KOマウスにおいてALP陽性細胞数の増加を認めた。このin vitroでのJunDの短期的発現抑制は骨芽細胞の分化を抑制すると考えられたが、in vivoのJunD長期欠失では逆に骨形成が増えたという一見矛盾する結果は、JunDが間接的に骨芽細胞分化に関与することを示唆するものであった。さらに、骨芽細胞が産生・分泌するオステオカルシン遺伝子の発現調節にJunDや他のAP-1構成因子がどのように関与するかを検討するためにレポーター活性を測定したところ、JunD-cFosよりもcJun-cFosを導入した方が活性は上昇した。これによりJun遺伝子の中で、cJunに比べてJunDは骨芽細胞の分化に対して抑制的に働くことが示された。生体内では、JunタンパクがJunタンパク同士のホモダイマーやFosタンパクとのヘテロダイマーを形成しAP-1として機能していることが知られており、JunD自体は骨芽細胞分化を促進する因子と推測されている。そこで、JunD KOマウスではJunDの代わりにcJunが増加することで間接的な骨量増加をもたらしている可能性が示唆された。
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[Presentation] OVARIECTOMY INDUCED BONE LOSS WAS PREVENTED BY THE DEFICIENCY OF JUND WHICH DETERMINES OSTEOBLASTIC ACTIVITY AND BASAL LEVELS OF BONE MASS2010
Author(s)
A.Kawamata, H.Yokoyama, Y.Izu, T.Hayata, E.F.Wagner, K.Nakashima, Y.Ezura, M.Noda, T.Amagasa
Organizer
9th Asian Congress on Oral and Maxillofacial Surgery
Place of Presentation
Kuala Lumpur Convention Centre, Kuala Lumpur, Malaysia
Year and Date
20101125-20101128