2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛における新規タキキニン ヘモキニン-1の役割
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21791980
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
松村 朋香 Tokyo Medical and Dental University, 歯学部附属病院, 非常勤講師 (40527066)
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Keywords | 神経因性疼痛 / ヘモキニン-1 / ミクログリア |
Research Abstract |
Hemokinin-1(HK-1)はTAC4遺伝子にコードされるタキキニンである。以前、我々はラット坐骨神経慢性絞扼性傷害(CCI)モデルを作製し定量的PCRによってTAC4 mRNAの発現量の変化を調べた。その結果HK-1の神経因性疼痛に対する関与を示し、神経傷害後にミクログリア細胞においてHK-1が発現上昇している可能性を報告した。今年度は、培養ミクログリア細胞を用いてin vitroにおける活性化ミクログリア細胞のHK-1の発現変化、およびHK-1投与が培養ミクログリア細胞へ及ぼす影響を調べた。培養ミクログリア細胞をLPS投与により活性化させたものを神経傷害後のミクログリア細胞に類似した状態とし、定量的PCRを用いて活性化ミクログリア細胞でのTAC4 mRNA発現量を現在解析中である。我々が今までに行ったin vivoにおける研究ではミクログリア活性化を抑えた場合での傷害側脊髄後角におけるTAC4 mRNA発現は抑制されたため、培養ミクログリア細胞でのTAC4 mRNAの発現は上昇し、神経損傷後の活性化ミクログリア細胞でのHK-1発現が直接的に示されることを予想している。また、免疫染色によるHK-1投与が培養ミクログリア細胞へ及ぼす影響も現在解析中である。今のところ得られたデータでは、HK-1投与後比較的初期の段階でミクログリアが活性されている可能性がある。今後はさらに例数を増やすことと、免疫染色によって得られた画像を何らかの方法で定量化し、活性化の有無をより明確に判断できる方法を検討していく予定である。
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