2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌でのCCL22+IDO+樹状細胞による制御性T細胞の誘導とその役割の解明
Project/Area Number |
21791984
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
渡邉 賀子 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部附属病院, 医員 (10444358)
|
Keywords | 扁平上皮癌 / 口腔 / 免疫細胞 / 細胞遊走 / ケモカイン |
Research Abstract |
これまで制御性T細胞はCD4+CD25+CD69-Foxp3+で定義されてきたが、近年、制御性T細胞はケモカインレセプターの発現の違いにより、さらに複数の機能的に異なるサブセットに分類されることが明らかになった。そこで、今回、われわれは、口腔扁平上皮癌におけるこれらの制御性T細胞サブセットの役割に着目して研究を進めてきた。その結果、制御性T細胞が口腔扁平上皮癌の間質に存在すること、制御性T細胞全体の細胞密度は予後に影響しないこと、Th2ケモカインレセプターのひとつであるCCR4陽性の制御性T細胞サブセットにおいて、その細胞密度が増加すると予後が不良になることを明らかにした。これは、CCR4陽性制御性T細胞浸潤が口腔扁平上皮癌の予後に関与することを示している。そこで、CCR4陽性制御性丁細胞とともに、CCR4のケモカインリガンドであるMDC/CCL22とTARC/CCL17の発現が予後に影響を及ぼすかどうかを明らかにするため、MDC/CCL22とTARC/CCL17の口腔扁平上皮癌における発現をパラフィン標本を用いて免疫組織染色を行い、検討を行っている。また、MDC/CCL22およびTARC/CCL17のそれぞれの発現細胞を免疫組織染色を用いて同定し、個々の発現細胞数と予後との相関性についても検討している。さらに、MDC/CCL22およびTARC/CCL17を発現する細胞がどのような機序でCCR4陽性制御性T細胞の分化・誘導に関わっていくのかを検討していく予定である。
|