2010 Fiscal Year Annual Research Report
疾患動物モデルにおける唾液腺由来神経成長因子による免疫調節作用機序の解明
Project/Area Number |
21791987
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
家森 正志 京都大学, 医学研究科, 助教 (90402916)
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Keywords | 免疫・感染・炎症 / 疾患モデル動物 / 口腔生理学 |
Research Abstract |
われわれの研究グループではH.pyloriの経口免疫においてeffector T細胞の胃粘膜への浸潤の誘導や維持に唾液腺が必要であることを明らかにしている。唾液腺摘出術(SALX)を施行した後で経口免疫を行ってもワクチン効果は得られないことから唾液由来の因子が経口免疫においてTh2-type免疫応答を誘導すると考えた。われわれは唾液腺に多量に存在し、肥満細胞やマクロファージ、リンパ球など免疫系の細胞に作用する神経成長因子(NGF)に注目し、唾液腺に存在するNGFの免疫調節性についてH.pylori感染モデルを用いて解析を行いて検討を行った。これまでの結果と同様に、SALXを施行した後で経口免疫を行ってもワクチン効果は得られなかった。しかし、SALXを施行した群であってもNGFを投与したマウスではワクチン効果が得られ、経口免疫においてTh2-type免疫応答を誘導していた。また各群のバイエル板をB細胞(B220)、T細胞(CD3)、樹状細胞(CD11c)の染色をおこない、各群でそれぞれの局在を検討したところ、SALXを行ったマウスでは他のマウスとことなった細胞局在を示した。これらのことからNGFは経口免疫における粘膜免疫応答において重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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