2010 Fiscal Year Annual Research Report
DNAコピー数異常に基づいた口腔扁平上皮癌新規予後マーカーの検討
Project/Area Number |
21792002
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
内田 堅一郎 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (20379986)
|
Keywords | 口腔癌 / 予後マーカー |
Research Abstract |
われわれは,以前Array-based CGH法を用いて口腔扁平上皮癌に生じるゲノムコピー数異常の検討を行い,転移や予後などの臨床病理学的因子との相関関係を検討しました.その結果,染色体領域8q24.2および3p26.3領域のコピー数異常を口腔扁平上皮癌における新規マーカー候補として検出しました.前年度に行ったFISH法による検討では8q24.2領域および3p26.3領域ともにArray-CGH法によるスクリーニングの結果と一致した結果が得られました.Real time PCR法を用いてWISP1遺伝子およびCHL1遺伝子のコピー数異常の検討を行いました.3p26.3に関しては予後との相関が見られました,8q24.2に関しては,Array-CGH法の解析結果と一致しなかったため,再検討を行いました.しかしながら,8q24.2に関しては予後との相関はありませんでした.本年度はCHL1に関しては,免疫染色法による検討を行いました.その結果,予後不良例で有意にCHL1の細胞質における発現低下を認めました.8q24領域に関して,Array-based CGH法の結果をもとに候補遺伝子を再考しました.その結果,8q24.3領域にある約200kbの領域に約20%の口腔癌症例で著しいDNAコピー数の増加を認めることを発見しました.同領域に位置する10個の遺伝子に関してゲノムデータベースおよび文献を検索し最終的にRECQL4を候補遺伝子として検討しました.RECQL4は正常口腔粘膜や異型上皮と比較して口腔扁平上皮癌で免疫染色における核陽性細胞率が著しく上昇していました.また,RECQL4核陽性細胞率が60%以上の口腔扁平上皮癌症例では予後不良でした.従い,CHL1およびRECQL4が口腔扁平上皮癌の予後マーカーとなる可能性が示唆されました.
|
Research Products
(3 results)