2010 Fiscal Year Annual Research Report
survivinとNF-κBを分子標的とする口腔癌の複合的治療法の開発
Project/Area Number |
21792006
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高丸 菜都美 徳島大学, 病院, 助教 (40513031)
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Keywords | survivin / NF-κB / 分子標的薬 |
Research Abstract |
【目的】Survivinは、アポトーシスの抑制と細胞分裂の調節機能を有する蛋白である。正常組織ではほとんど発現しないが、多くの癌組織で発現していることが知られている。また、survivinの発現は治療効果、予後等と関連しているとも報告されている。しかし、口腔癌でのsurvivinの発現とそれらとの関連についての報告は少なく、さらに癌細胞の細胞質と核の局在の違いに注目した検討はほとんどない。そこで、われわれは口腔扁平上皮癌の核および細胞質におけるSurvivinの発現を評価し、さらにSurvivinの発現が分化度および浸潤様式と関連するか否かについて検討することを目的とした。 【材料及び方法】当科において治療をおこなった口腔扁平上皮癌患者57例の初診時生検材料および手術材料を用い、抗survivin抗体で免疫組織化学染色を行なった。 【結果】口腔扁平上皮癌患者におけるsurvivinの発現率は88%であった。survivinの局在は核と細胞質陽性型、核陰性・細胞質陽性型、核と細胞質陰性型の3群に分類できた。癌の分化度とsurvivinの発現との間には関連がなかったが、山本・小浜による浸潤様式分類とsurvivinの核での発現との間に相関関係を認めた。 【結論】口腔扁平上皮癌においてsurvivinの発現は増強し、その発現の程度は浸潤様式と関連性があることが示唆された。
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