2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゲルダナマイシンを用いた口腔癌における分子標的治療ならびに免疫療法の基礎的研究
Project/Area Number |
21792015
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山田 慎一 Nagasaki University, 病院, 講師 (50380853)
|
Keywords | 口腔癌 / 転移 / 浸潤 |
Research Abstract |
Hsp90特異的阻害剤ゲルダナマイシンを用いた分子標的治療は米国において大腸癌などに対しての第I相臨床試験が行われている.加えて、免疫療法を併用することでより効果的に抗腫瘍効果が得られることが期待でき、更に手術不能症例において治療による副作用が軽減きれ延命にもつながると思われる。今回、癌の転移、浸潤に関与するといわれるcortactinについて、口腔扁平上皮癌における発現と病理組織学的因子との関連、また細胞生物学的特性について検討した。生検標本にてcortactinの発現について検討したところ、cortactinの発現は口腔扁平上皮癌の全例に発現がみられ、cortactinの過剰発現の陽性症例率は45.7%であった.臨床病理学的因子としては、T分類、N分類、および浸潤型との間に有意な相関性がみられた。細胞生物学的特性を検討するために培養口腔癌細胞株においてcortactinの発現をsiRNAによる抑制したところ浸潤能の有意な低下が認められた。また、cortactinの発現をsiRNAによる抑制したところ,EGFR,PTHrPの発現の低下がみられた。これにより、cortactinの渦剰発現がEGFシグナル伝達経路を介してPTHrPの発現に影響を及ぼし、骨浸潤への関与が示唆された。以上からcortactinの発現は口腔扁平上皮癌における浸潤・転移に強く関与しそおり、cortactinをターゲットとした分子標的治療は、「口腔扁平上皮癌の治療に有効である可能性が示唆された。
|
Research Products
(4 results)