2011 Fiscal Year Annual Research Report
ゲルダナマイシンを用いた口腔癌における分子標的治療ならびに免疫療法の基礎的研究
Project/Area Number |
21792015
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山田 慎一 長崎大学, 大学病院, 講師 (50380853)
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Keywords | 口腔癌 / ゲルダナマイシン / 転移 / 浸潤 |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌の予後を左右する因子として,癌細胞の浸潤能がある.CRK (CT10 regulator of kinase)は,チロシンキナーゼと低分子量Gタンパク質活性化因子をリンクするアダプター因子であり,細胞の増殖,運動,接着を制御し,がんの浸潤・転移に関与する.口腔扁平上皮癌におけるCRKの発現と臨床病理学的因子および浸潤能との関連を明らかにすることを目的とした.材料および方法として,当科で治療を行った口腔扁平上皮癌71例の生検時標本および正常口腔粘膜症例10例を用い,抗ヒトCRKII抗体で免疫組織化学染色を行った.さらに,腫瘍細胞株OSC20を用いてCRKIIに関して,siRNAによりmRNA発現を抑制し,細胞生物学的特性との関連を検討した.CRKIIの発現は口腔扁平上皮癌において優位に過剰発現し,腫瘍サイズ(P<0.05),頸部所属リンパ節転移(P<0.05)および浸潤パターン(P<0.001)との間に相関性がみられ,癌細胞浸潤能との相関が示唆された.培養細胞においてもCRKII mRNA発現の抑制により癌細胞浸潤能の有意な低下がみられた(P<0.001).また,下流因子であるDOCK180の発現低下もみられた.[結論]CRKIIは口腔扁平上皮癌において癌細胞浸潤に関与しており、分子標的治療のターゲットとなりうる可能性が示唆された.また,以前に口腔癌における発現と浸潤能との関連を検討していたアクチン関連足場タンパクであるcortactinとCRKIIとの供発現と病理学的因子と浸潤能との関連についても検討を行い、上記結果と同様の結果がみられ、これらの因子の口腔癌における浸潤能への関与と分子標的治療への応用への可能性が示唆された.
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Research Products
(2 results)