2010 Fiscal Year Annual Research Report
レミフェンタニルによる急性耐性・痛覚過敏のメカニズム解明ならびに新規麻酔法の開発
Project/Area Number |
21792016
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
倉田 眞治 長崎大学, 長崎大学病院, 助教 (20325666)
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Keywords | 歯科麻酔学 |
Research Abstract |
本研究では,急性耐性・痛覚過敏形成への関与が示唆される,超短時間作用性オピオイド製剤のレミフェンタニルが, ● μオピオイド受容体への細胞内局在に与える影響を様々な条件下で検討する ● 各種鎮痛剤との併用下で,μオピオイド受容体(μOR)の細胞内局在に与える影響を比較検討する。 得られた結果をもとに, (1)レミフェンタニルの急性耐性・痛覚過敏形成における分子機構を明らかにする。 (2)レミフェンタニルの急性耐性・痛覚過敏形成の克服のための新規麻酔法を開発する。 (1)蛍光タンパクVenus融合μオピオイド受容体を発現させたBHK細胞に、以下の条件下でのレミフェンタニルを作用させる。 (A)レミフェンタニル (RF)単独 濃度;10nM,100nM,1μMなど,作用時間;30min,120minなど (B)細胞内外活性タンパク質(例;PP2A・Rab4・ERKなど)+レミフェンタニル (C)各種鎮痛剤(例;ケタミン・フェンタニル・デクスメデトミジンなど)+レミフェンタニル (2)各条件下でのレミフェンタニル作用後の,μオピオイド受容体の細胞内局在について共焦点レーザー顕微鏡を用いて評価および比較検討を行っている。 前年度のデータと,より詳細な濃度・暴露時間による検討を行った結果,レミフェンタニルでは濃度依存性にμORを細胞内移行させ,再感作を抑制することが確認された。また,低濃度remifentanilにおいても長時間の暴露により再感作が抑制された。 以上より,レミフェンタニルによる急性耐性・痛覚過敏形成には濃度および暴露時間が関与し,高濃度もしくは長時間暴露が急性耐性や術後痛覚過敏を惹起している可能性が示唆された。 今後は,レミフェンタニルとその他各種鎮痛剤・細胞内外活性タンパク質併用下での更なる検討を行う予定である。
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Research Products
(1 results)