2010 Fiscal Year Annual Research Report
腺様嚢胞癌におけるADAM17を介した転移機構の解析
Project/Area Number |
21792018
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高宗 康隆 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (50467982)
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Keywords | 腺様嚢胞癌 / 細胞接着 / プロテアーゼ / 癌の浸潤・転移 |
Research Abstract |
これまでの研究で浸潤機構に関し、TNFαが口腔扁平上皮癌に影響を及ぼし、細胞接着の切断に関与している事を明らかにしてきた。そこで口腔癌のなかでも間葉組織の細胞外基質を強く分解しながら、著明な浸潤増殖をしていく腺様嚢胞癌に着目した。当研究室内で培養したいくつかの腺様嚢癌細胞株を樹立し、この細胞株にTNFαで処理し、細胞の状態を検索した。特に接着分子CD44を特異的に切断するプロテアーゼADAM-17の発現とその活性Western Blotting法を用いて調べた。結果、ADAM-17の活性は認められかかった。同時にCD44の切断も確認することができなかった。これはわずかな種類の腺様嚢胞癌細胞株でしか実験しておらず、今後まったく別のタイプの腺様嚢胞癌細胞株を培養し、繰り返し本研究を継続していく必要がある。また、ADAM-17のDNA抽出およびRNAに関する実験を予定している。さらに様々な口腔癌細胞の浸潤能を検索するべく、インベージョンアッセイの実験も付加していくことを検討中である。また、口腔扁平上皮癌細胞株を用いて、TNFα刺激後のCD44の細胞内での局在を明らかして、更なる解析を要すると考えている。次に、そのために必要な解析装置についてであるが、細胞刺激後の細胞の形態変化などをリアルタイムに観察していくために必要な位相差顕微鏡による検索が共同実験施設を利用する場合があるので採算性を考慮する中で利用する考えである。また現在の研究室において、上記実験が可能な装置としては、組織学的形態評価や分子生物学的評価を要する装置が利用可能であるため、実験開始可能な時点で使用を共同により行う予定である。
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