2011 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌におけるMUC1遺伝子スプライシングバリアントの発現とその意義
Project/Area Number |
21792020
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
浜田 倫史 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00444894)
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Keywords | MUC1 / MUC4 / 口腔癌 / 予後規定因子 / スプライシング / 選択的スプライシング / 膜型ムチン / 転移 |
Research Abstract |
口腔癌は早期に隣接組織に浸潤し、25~50%がリンパ節転移を有する。また、口腔癌の重要な予後不良因子であるリンパ節転移は、しばしば診断や治療の段階で検出されないことが多く、さらに安全域を十分に得られた切除を行っても、予期しない再発や後発リンパ節転移により患者が死亡転帰をたどることも少なくない。よって、患者の予後をあらかじめ予測できる有用な指標の存在は、口腔癌の治療法の選択や経過観察において非常に重要な意味合いを有する。今回われわれは、口腔癌におけるMUC1遺伝子のスプライシング異常の検出を行い、臨床病理学的事項との関連について検討し、その結果を早期発見および治療方針の決定へ反映し、また分子標的治療のターゲットを見いだすことで治療成績の向上に寄与することを目的とした。われわれはまず、口腔癌症例の組織を用いてMUC1IおよびMUC4ムチンの発現を検索し、臨床病理学的事項との関連性を検討することで、これらの膜型ムチンの多くのバリアントを含む包括的な、タンパクレベルでの発現が口腔扁平上皮癌の予後予測因子になりうるか200例以上の切除組織を用いて検討した。その結果、膜型ムチンであるMUC1およびMUC4の過剰発現は、口腔扁平上皮癌の新しい有意な予後予測因子であることを明らかにした(Int J Cancer.2012.130:1768-76.、Cancer.,2012.in press)。その後、口腔癌細胞株や切除組織を用いて、MUC1ムチンの数多く存在するスプライシングバリアントに対し個別の検討を開始した。その結果、それぞれの細胞株や症例により、MUC1発現バリアントの種類およびその比率は大きな相違があることが明らかになった。今後は症例数を増やしたのち統計解析を行い、口腔癌の予後不良因子であるMUC1のうち、直接的に予後に関連し治療の標的となりうるバリアントを見いだしていく予定である。
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Research Products
(12 results)