2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21792033
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
恩田 健志 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (30433949)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 転移関連遺伝子 / Spleen tyrosine kinase / zinc finger DHHC-type containing 14 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒト全遺伝子搭載DNAチップを用いて口腔扁平上皮癌の新規転移関連遺伝子を同定し転移の診断および腫瘍の悪性度の評価を可能にすることであった。口腔組織、口腔扁平上皮癌組織、リンパ節転移組織の網羅的遺伝子発現解析によりzinc finger DHHC-type containing 14 (ZDHHC14)、Spleen tyrosine kinase (SYK)等をはじめとした、75個の候補遺伝子をリストアップした。また、これまでに我々が解析してきたプロテオミクス解析による口腔扁平上皮癌の網羅的タンパク質発現解析の結果とリンクさせ、有力な遺伝子および遺伝子産物をリストアップした。各症例に共通して発現異常が認められる遺伝子は少なくとも口腔扁平上皮癌においては50遺伝子以上は存在する可能性が示唆された。ZDHHC14遺伝子は病理組織学的にリンパ節転移を有する症例で高頻度に発現が亢進している遺伝子としてリストアップされた候補遺伝子である。定量的Real-time PCR法による確認実験においても、ZDHHC14遺伝子のmRNAの発現亢進が確認できた。一方で、Syk遺伝子は病理組織学的にリンパ節転移を有する症例で、高頻度に発現が低下している遺伝子としてリストアップされた候補遺伝子である。定量的Real-time PCR法による確認実験においても、Syk遺伝子のmRNAの発現低下が確認できた。免疫蛍光染色法によりタンパク質レベルにおいても転移陽性例で著名な発現低下が認められた。またDNAの高頻度なメチル化が検出され、口腔扁平上皮癌におけるSykの発現低下が、エピジェネティックな制御による可能性が示唆された。今回リストアップされた候補遺伝子について前向きコーホート研究を行い、初診時に患者の予後を左右する転移を診断する診断法の開発や、転移を事前に予測する診断法等の開発に応用していきたい。
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Research Products
(4 results)