2009 Fiscal Year Annual Research Report
GABA性薬物が側坐核カテコラミン神経活動に及ぼす効果
Project/Area Number |
21792034
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
内田 琢也 Nihon University, 歯学部, 助教 (10409104)
|
Keywords | ドパミン / 線条体 / 脳微小透析法 / SKF38393 / dexamhetamine / reseine / α-methvl-p-tvrosine / ラット |
Research Abstract |
覚醒アミンのdexamphetamineは,線条体のドパミン(DA)神経終末のシナプス小胞のみならず細胞質を由来とするDAを細胞外へ放出することが,シナプス小胞内DA枯渇薬のreserpineとDA合成律速酵素阻害薬のα-methyl-p-tyrosine (α-MPT)を用いた研究から示されている。D_1受容体作動薬のSKF38393は,ラットの線条体背側部に局所投与するとdexamphetamineと類似した神経活動非依存性の機構により同部位のDAの細胞外放出を促進するが,このDAはシナプス小胞と細胞質のいずれを由来とするかは明らかでない。そこで,無麻酔非拘束ラットの線条体背側部へのSKF38393の局所投与が誘発したDA放出におけるシナプス小胞と細胞質のDAプールの役割について,reserpineとα-MPTを用いてin vivo脳微小透析法により検討を行った。その結果 1.Reserpine(5mg/kg,24時間前)またはα-MPT(250mg/kg,2時間前)の全身投与の結果,線条体背側部へのSKF38393の局所注入(1.5μg/0.5μl)が誘発した同部位のDA放出は,reserpineにより約82%が,α-MPTにより約62%がそれぞれ抑制され,これらreserpineとα-MPTの抑制効果の合計は約144%と100%を超えた。 2.細胞内DAを枯渇させるためreserpineとα-MPTを併用投与しても,SKF38393誘発DA放出は約86%までしか抑制できなかった。 以上の結果から,ラットの線条体背側部へのSKF38393の局所投与は,同部位のシナプス小胞と細胞質の両方からDAを放出することが示された。また,このSKF38393処置は,細胞内のDAのシナプス小胞と細胞質の間の移動を誘発すること,さらに細胞内へのDAの再取込み機構を抑制することがそれぞれ示唆された。
|
Research Products
(2 results)